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お泊まり恋人ロリータ 感想

御大切、僕はこの概念を何で読んだだろうか。

このキリスト教的概念を現代の“愛”へと昇華するには現代性のある物語が必要だ。

現実的な現代性ではないものの、この作品においてはプレイした個人の中で“御大切”の概念を形成し、保たせるには十分な物語が示されたと思う。

 

いつも通りのpororiさんの文章と、madetakeさんのBGM。

この2つを受けたとき、物語を、登場人物の精神性を真摯に受け止めない人はきっといない。誰しもきっと主人公の思考から身につまされる部分がある。

 

半分に、半分に、半分にしていったところに在るもの。自分の力ではどうにも出来ない、どうしようもなく最初から在るもの。

生、環境、現実。

選び取らずともそこに在って、何をするにもまとわりつくままならないものたち。

神ですら在らせることしかできなかったものをいかに受け止めるのか。

 

この作品のロリータのように、無垢なものに、苦しむものに、救いを願いながらも表現出来ないものに、信仰はよく似合う。

 

神は慈悲深くあられるのだから、と口癖のように言いながら信仰を邪険にする貴族たちをトルストイの小説ではよく見かける。

この作品では神のことを口にせずとも、神は慈悲深くあられるように思えてくる。

僕はキリスト者ではないし、これは大きく宗教色を打ち出したい作品でもないと思う。

しかし、最初から在るものを考えるとき、この作品のことを思い出したくなるいい作品であったと思う。